はじめに

ODAT-SEとは

ODAT-SEは、順問題ソルバーに対して探索アルゴリズムを適用して最適解を探すためのフレームワークです。 順問題ソルバーはユーザー自身で定義できるほか、標準的な順問題ソルバーとして2次元物質構造解析向け実験データ解析ソフトウェアが用意されています。 順問題ソルバーでは、原子位置などをパラメータとして得られたデータと実験データとのずれを損失関数として与えます。 探索アルゴリズムによりこの損失関数を最小化する最適なパラメータを推定します。 現バージョンでは、順問題ソルバーとして量子ビーム回折実験の全反射高速陽電子回折法(Total-Reflection High-Energy Positron Diffraction: TRHEPD), 表面X線回折法(Surface X-ray Diffraction: SXRD), 低速電子線回折法(Low Energy Electron Diffraction: LEED)に対応しており、 探索アルゴリズムはNelder-Mead法, グリッド型探索法, ベイズ最適化, レプリカ交換モンテカルロ法, ポピュレーションアニーリングモンテカルロ法が実装されています。

odatse-STRとは

全反射高速陽電子回折法(TRHEPD)および反射高速電子線回折法(Reflection High Energy Electron Diffraction: RHEED)のシミュレータソフトウェアとして sim-trhepd-rheed が開発されています。原子位置を入力として回折強度の Rocking Curve を計算するプログラムで、Fortran で書かれており、標準的な Linux 環境で動作します。 odatse-STR は、この sim-trhepd-rheed を ODAT-SE の順問題ソルバとして利用するためのアダプタライブラリです。2DMAT v2.x の順問題ソルバーの一つとして開発されたコンポーネントを、独立なモジュールとして再構成したものです。ODAT-SE および sim-trhepd-rheed と組み合わせて使用します。

ライセンス

本ソフトウェアのプログラムパッケージおよびソースコード一式はGNU General Public License version 3 (GPL v3) に準じて配布されています。

Copyright (c) <2020-> The University of Tokyo. All rights reserved.

本ソフトウェアは2020年度および2024年度 東京大学物性研究所 ソフトウェア高度化プロジェクトの支援を受け開発されました。 ODAT-SEを引用する際には以下の文献を引用してください。

"Data-analysis software framework 2DMAT and its application to experimental measurements for two-dimensional material structures", Y. Motoyama, K. Yoshimi, I. Mochizuki, H. Iwamoto, H. Ichinose, and T. Hoshi, Computer Physics Communications 280, 108465 (2022).

Bibtex:

@article{MOTOYAMA2022108465,
  title = {Data-analysis software framework 2DMAT and its application to experimental measurements for two-dimensional material structures},
  journal = {Computer Physics Communications},
  volume = {280},
  pages = {108465},
  year = {2022},
  issn = {0010-4655},
  doi = {https://doi.org/10.1016/j.cpc.2022.108465},
  url = {https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0010465522001849},
  author = {Yuichi Motoyama and Kazuyoshi Yoshimi and Izumi Mochizuki and Harumichi Iwamoto and Hayato Ichinose and Takeo Hoshi}
}

バージョン履歴

odatse-STR

  • v1.0.0 : 2024-11-25

ODAT-SE

  • v3.0.0 : 2024-11-25

2DMAT

  • v2.1.0 : 2022-04-08

  • v2.0.0 : 2022-01-17

  • v1.0.1 : 2021-04-15

  • v1.0.0 : 2021-03-12

  • v0.1.0 : 2021-02-08

主な開発者

ODAT-SE, odatse-STR, 2DMATは以下のメンバーで開発しています.

  • ODAT-SE v3.0.0 -, odatse-STR v1.0.0 -

    • 本山 裕一 (東京大学 物性研究所)

    • 吉見 一慶 (東京大学 物性研究所)

    • 青山 龍美 (東京大学 物性研究所)

    • 星 健夫 (核融合科学研究所)

  • 2DMAT v2.0.0 -

    • 本山 裕一 (東京大学 物性研究所)

    • 吉見 一慶 (東京大学 物性研究所)

    • 岩本 晴道 (鳥取大学 大学院工学研究科)

    • 星 健夫 (鳥取大学 大学院工学研究科)

  • 2DMAT v0.1.0 -

    • 本山 裕一 (東京大学 物性研究所)

    • 吉見 一慶 (東京大学 物性研究所)

    • 星 健夫 (鳥取大学 大学院工学研究科)